ads.txtの作成と設置
ads.txt はオンライン広告を設置しているサイトで利用する不正な広告を防止するために使われるもので、 AdSense を掲載しているサイトでも設置が推奨されています。ここでは ads.txt の作成方法および配置方法について解説します。
ads.txtとは
ads.txt (アズテキストと呼びます)は自分が運営しているサイトで広告掲載を許可している広告ネットワークの情報を掲載するものです。 ads.txt は必須なものではありませんが、 Google 社も設置を推奨しています。
・Ads.txt に関するガイド - AdSense ヘルプ
ads.txt を設置する目的は不正な広告枠の販売を防止するためのものです。詳しくは別のサイトをご参照して欲しいのですが、自分の運営しているサイトを装った別のサイトによって本来自分のサイトに掲載されるべき広告が奪われてしまうことを防止します。
自分のサイトに設置した ads.txt に現在自分のサイトで許可している広告ネットワークや運営者IDを列挙することで、広告主は広告を出稿しようとしているサイトで本当に広告枠が販売されているのかを確認することができます。
ads.txtの記述方法
ads.txt はテキストファイルです。自分のサイトで認定している広告の販売者情報を 1 行毎に記述していきます。記述する内容は 4 つの項目に関して記述しますが、間違えると広告配信が行われないこともありますので、広告の販売業者に確認することをお勧めします。
AdSense を利用している場合で、ご自身でアカウントを管理されている(他の業者に管理を委託していない)場合は次のように記述します。
google.com, pub-0000000000000000, DIRECT, f08c47fec0942fa0
「pub-0000000000000000」の部分はご自身の AdSense アカウントのサイト運営者 ID に置き換えて下さい。確認方法は「サイト運営者IDを確認する」で解説しています。
それではテキストエディタを起動し、先ほどの 1 行を記述して下さい。
ファイル名を "ads.txt" として保存すれば ads.txt の作成は完了です。
ads.txtの設置場所
作成した ads.txt は自分の運営しているサイトのルートドメインに設置します。例えば自分のサイトのドメインが「example.com」だった場合には、「http://example.com/ads.txt」のようにアクセスできる場所に設置します。
サブドメインを使用してサイトを運営している場合でもルートドメインに設置する必要があることに注意して下さい。例えば「http://www.example.com/」のように「www」付きもサブドメインと同じ扱いとなり、ads.txtはルートドメインである「http://example.com/」の方に設置が必要です。
ただし先ほどの AdSense のヘルプページには次のような記述があります。
Google では、元のルートドメイン外への単一の HTTP リダイレクトがサポートされます(例: example1.com/ads.txt から example2.com/ads.txt へのリダイレクト)。IAB の最新情報をご覧ください。
元のルートドメイン内であれば、複数のリダイレクトもサポートされます。
例:
・example.com/ads.txt から www.example.com/ads.txt へのリダイレクト
・example.com/ads.txt から subdomain.example.com/ads.txt へのリダイレクト
・example.com/ads.txt から example.com/page/ads.txt へのリダイレクト
その為、例えば「http://example.com/ads.txt」から「http://www.example.com/ads.txt」へのリダイレクトが設定されていればリダイレクト先の方に ads.txt が設置されていても大丈夫です。
サブドメインのURLが割り当てられるサービスを使っている場合の注意点
例としてレンタルサーバーやブログサービスを利用している場合で考えてみます。サービスによっては、ご自分のサイトやブログの URL がサブドメインの形式になっている場合があります。
www.example.com ・・・サービス提供会社が利用 hoge1.example.com ・・・ユーザーA用のURL hoge2.example.com ・・・ユーザーB用のURL hoge3.example.com ・・・ユーザーC用のURL
先ほど記載したように ads.txt はトップドメインに設置しなければなりませんので、各ユーザーは自分専用の ads.txt を設置することはできず、ルートドメインに設置した ads.txt を全ユーザーで共有する必要があります。
example.com/ads.txt ・・・全ユーザー共有のファイル
ads.txt が存在しなければいいのですが、 ads.txt を設置してしまうとルートドメインだけでなく全てのサブドメインで有効となります。 ads.txt には自分のサイトやブログで配信している広告( AdSense など)に関する情報を記述しなければなりませんので、ルートドメインに設置された ads.txt では全ユーザーの広告に関する情報を記述し更新していかなければなりません。
通常ルートドメインにファイルを設置したり、設置されたファイルの更新をユーザーは行えませんのでサービス提供側で管理する必要がありますが、現実的には難しいのではないでしょうか。
このように多くのユーザーで共有しているドメインでは ads.txt の設置は現時点は難しいのですが、サービスを提供している事業者が自社用に ads.txt を設置してしまうケースが以前にありました。その結果、同じドメインのサブドメインを利用している各ユーザーの AdSense の利用に影響がでるといったことがありました。
もし自分のサイトやブログが独自ドメインではない場合で、 ads.txt を設置していないのに「AdSense サイト運営者 ID が含まれていない ads.txt ファイルがあります。」のようなエラーが AdSense の管理画面に表示された場合は、サービスを提供している事業者が設置してしまっていないか確認されてみるといいかもしれません。
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ads.txt の作成方法および配置方法について解説しました。
( Written by Tatsuo Ikura+ )

著者 / TATSUO IKURA
初心者~中級者の方を対象としたプログラミング方法や開発環境の構築の解説を行うサイトの運営を行っています。